ダイホルダーとは

ダイホルダーとは?

私たちの主力商品であります、熱間鍛造プレス用ダイホルダー。ここでは、「ダイホルダーとは何か」を、当社に興味を持たれて当ホームページをご覧になっているお客様をはじめ、就職先を探しておられる方、社員さんのご家族の方々にも、当社の業務をご理解していただけるようにご説明したいと思います。

金属加工について

ダイホルダーについてご説明する前に、まず「金属加工」についてご説明します。

今や、生活に欠かせない自動車。この自動車は、さまざまな部品で構成されています。その部品の多くは、金属でできています。
金属加工について
これらの部品を作るためには、金属材料から求める形状にするために、加工する必要があります。その加工方法は、主に下の3つの方法があります。
(1) 切削(せっさく)方法
金属材料を削ることで成形にします。イメージとしては、彫刻刀で削って仏像を作るのと同じです。切削では、製品精度が安定して高く製作できますが、時間がかかります。
切削(せっさく)方法
(2) 鋳造(ちゅうぞう)方法
金属材料を溶かして、型に流し込み成形します。イメージとしては、水に溶いた小麦粉を鯛の形を彫り込んだ型に流し込んで鯛焼きを作るのと同じです。量産に向いており、複雑な形状が可能です。
鋳造(ちゅうぞう)方法
(3) 鍛造(たんぞう)方法
金属材料をハンマーなどで叩いて成形します。イメージとしては、真っ赤に熱した鉄を叩いて作る日本刀と同じです。熱することで、金属の変形抵抗を低くし、叩くことで、金属が鍛えられながら成形されるので、強度が増します。
鍛造(たんぞう)方法
上記3つ以外にもいろいろな方法があります。それぞれ長所、短所があり、材料の特性や、部品に求められる形状、用途により加工方法を選択します。

鍛造について

上記「鍛造」について詳しくご説明します。「鍛造」とは、読んで字のごとく「鍛えながら」「造る」方法です。よって、自動車部品の中でも車輪や、エンジンなど耐久性が求められる部品を造るのに適しています。ただ、刀のように叩いて作る方法を「自由鍛造」と呼びますが、この方法では、同じ形状のものをたくさん作ることができません。ですから、金型(かながた)と呼ばれるものを作って鍛造します。金型とは、二つの金属材料に、部品形状の上半分を削り込んだもの(上型)と、下半分を削り込んだもの(下型)です。その間に熱した丸棒状の金属材料を置いて金型を勢いよく叩き、丸棒を部品形状に変形させて作ります。但し、一度叩いただけでは求める形状にするのは困難ですので、「つぶし」「荒地」「仕上」などの段階を経て成形させます。この方法を「型鍛造」と呼び、自動車部品を作る方法として広く行われております。

社団法人 日本鍛造協会

ダイホルダーとは

金型、特に上型を上下運動させるには、人間の力では無理ですので機械が必要です。その中に、プレスと呼ばれる機械があります。仮に「つぶし」「あらじ」「しあげ」の3工程が必要な場合、金型は、それぞれ上下各1ヶずつですので、下型に3ヶ、上型に3ヶ必要です。それらの金型を、プレス機械に固定するものが「ダイホルダー」です。「ダイ」(DIE)とは英語で「金型」の意味です。「ホルダー」(HOLDER)とは英語で「・・・入れ」という意味で、キーホルダーのホルダーと同じ意味です。
ダイホルダーとは

楠製ダイホルダーは

ダイホルダーは、金型をプレス機械に固定するだけでなく、金型を正確に上下運動させる案内役として、製品精度を向上させるための重要なものです。また、金型は非常に重く、人間の手では持ち上げてプレスに取り付けることが容易にできません。しかも、違う製品をつくる度に金型を交換する必要があります。よって、いろいろな種類の製品を早く作るためには、いかに金型を早く交換するかが重要です。そこで、プレスの外で金型をダイホルダーに取り付け、ダイホルダーごとプレスにセットする方法が主流となっております。以上のことから、弊社のダイホルダーは以下の条件を満たしております。

1)上下型の同芯度が正確なこと
2)金型がきちんと強力に固定されていること
3)金型が素早く交換できること

お客様によって、実にさまざまなダイホルダーが求められます。お客様に喜ばれるダイホルダーを製作するためには、技術はもちろん大切ですが、お客様とのコミュニケーションが第一だと考えています。当社は開発、設計のメーカーであり、お客様と一緒になって、すばらしい設備を製作できることを誇りにしています。

金型の交換方法(段替え)について

鍛造し終わった金型と、これから鍛造しようとしている金型を交換する方法は、
従来2通りありました。

1)金型のみを交換する方法(内段取り)
この方法は、プレス機に取り付けられている金型を人間の手により、もしくは金型交換アームなどの治具を使って、プレス機内部で交換する方法です。金型が人間の手で動かすことができる重量以下であれば、一番早い交換方法ですが、プレス機内部での作業になりますので汚れますし作業性が悪く、大変な危険を伴います。

2)ダイホルダーごと交換する方法(外段取り)
金型が人間の力で動かすことができないほど重い場合や、上記の危険作業を回避した場合、金型が組み込まれているダイホルダーごとプレス機からはずして金型を交換する方法です。つまり、金型の交換をプレス機の外で行いますので、「外段取り」と呼んでいます。その際、交換時間を短縮させるため、次に鍛造する予定の金型を取り付けておくため、もう一台ダイホルダーをあらかじめ準備しておき、鍛造終了後すぐにダイホルダーごと入れ替えて金型交換を行います。この場合、ダイホルダーの重量は何トンにもなりますので、プレス機前にダイホルダー交換装置が必要です。この交換方式はすばやく(Quickly)金型(Die)を交換(Change)することができますので、QDC(クイックダイチェンジ)と呼び、交換装置のことをQDC装置と呼びます。プレス機から取り出した後、ダイホルダーの上型を反転させて、開いた状態にしてから、ダイホルダーに組み込まれている金型を交換しますので、作業は大変安全に行うことが出来ます。しかし、ダイホルダーは大きいですので、ダイホルダー交換装置は大掛かりなものになりますし、はずされたダイホルダーを保管するためには、広い場所の確保が必要となります。
金型の交換方法(段替え)について

楠精工が開発した、HPCダイホルダー

楠精工は、上記2つの方法の長所を生かし、短所を改善する画期的な金型交換方式を開発致しました。その名も「ハードプレート交換方式」(Hard Plate Changer)によるダイホルダー、略して、HPCダイホルダーと読んでいます。

楠精工は金型をプレス機から取り出す時に、金型のみを取り出すのではなく、ダイホルダー本体の磨耗対策として敷いてある板(敷板)、別名、ハードプレートを金型と一緒に取り出すことにしました。しかも上型、下型を同時に取り出すことで、金型はハードプレートで「サンドウィッチ」状態になります。この「サンドウィッチ」状態になっている金型とハードプレートの組み合わせを「カセット」と呼んでいます。ダイホルダーはプレス機に内蔵されたまま、カセットのみ交換を行うのです。さらにダイホルダー内に、油圧によりカセットを固定させる機構を内蔵させました。ですから作業者はプレス内で金型をボルトにより脱着させるという、大変危険で汚れる力作業をする必要がなくなり、ボタン操作により安全で楽に金型を固定させることができるようになりました。
楠精工が開発した、HPCダイホルダー
また、カセットは従来のダイホルダーに比べて軽くて小さいので、ダイホルダー交換装置のような大掛かりな装置を必要とせず、簡易台車により楽にカセットの出し入れをすることができます。またカセットの保管もダイホルダーのような広い場所を確保する必要がありません。カセット上型の反転も、ダイホルダー上型に比べて簡単にできますので、危険な作業をしなくてすみます。
楠精工が開発した、HPCダイホルダー
まとめますと、HPCダイホルダーにより、
1)プレス内での危険で汚い重労働をする必要がなくなる。
2)カセット搬送台車は小型で設置スペースが小さくてすむ。
3)金型交換時間を大幅に短縮することができ、プレスの稼働率が高まる。
これらの長所を同時に成立させることができました。


昭和57年に日本で初めて開発された「HPCダイホルダー」は、鍛造プレスにおける金型交換の時間短縮、省力化、省人化、省スペース化、安全性を飛躍的に向上させたシステムとして鍛造業界に革命を起こし、国内外で100ライン以上設置しています。また、付随する金型交換装置、材料供給装置などの自動搬送装置も手掛け、鍛造品の安定供給に貢献しています。この功績が評価され、2010年に、「愛知ブランド企業」として認定を受けることができました。  弊社の親会社がお客様である鍛造会社という強みを活かし、お客様情報の収集や鍛造技術の意見交換等を積極的に行い、設計に活かしております。 「熱間鍛造プレス用ダイホルダーといえばクスノキ」と言われるほど鍛造業界では認知度は高く、日本で唯一の提案型ダイホルダー設計製作メーカーとして高品質・短納期・技術レベルの高さとシェアは日本一だと自負しています。